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『ヒポクラテスの誓い』(ヒポクラテスのちかい)は中山七里の推理小説。祥伝社が発行している月刊小説誌『小説NON』に2014年2月号から11月号まで連載され、加筆・訂正されたうえで2015年5月13日に単行本が刊行された。文庫本は、東京医科歯科大学法医学分野の教授である上村公一による監修の下、2016年6月13日に刊行された。
第5回日本医療小説大賞最終候補作[1]。
浦和医大に勤める研修医の栂野真琴が、ある事情から法医学教室に入ることになり、教室の主である光崎藤次郎教授とともに遺体の解剖を通して真実を明らかにしていく法医学ミステリー。これまで著者の複数の作品に登場してきた解剖医の光崎が準主役として登場する。また、埼玉県警の古手川も登場する。
タイトルの「ヒポクラテスの誓い」とは、医師の倫理・任務などについての、ギリシア神への宣誓文のことである。
 
あらすじ[編集]
一 生者と死者[編集]
浦和医大の研修医・栂野真琴は内科の津久場教授のアドバイスで、法医学教室へ足を踏み入れた。法医学教室の主・光崎藤次郎教授には覚悟のなさを見抜かれ、追い返されそうになるが「死体好き」の准教授・キャシー・ペンドルトンの仲裁もあり、しばらく「試用期間」として働くことを認められたのだった。すぐに埼玉県警から解剖の要請があり、真琴たちは現場に向かう。埼玉県皇山町の河川敷で発見された遺体は峰岸透(54)のものだった。泥酔した上、寝入ってしまった末の凍死と思われたが、現場にいた埼玉県警捜査一課の古手川が被害者の洒脱な服装に対して現場に転がっていた焼酎が722ccで580円の安物であったことに違和感を感じ、光崎に解剖を要請したのだった。
二 加害者と被害者[編集]
ある日、法医学教室に9歳の女の子・篠田凪沙(しのだなぎさ)から「事故で死んだ人を解剖して欲しい」と電話がかかってくる。凪沙によると彼女の父親が車で女性を撥ね、死なせてしまったという。だが、父親は慎重すぎるほど慎重な運転を心掛ける人間であり、凪沙をはじめとする家族はどうしても父親がそんなことをしたとは信じられないと話す。キャシーの進言もあり、真琴はキャシーと2人で事故の管轄である大宮東署を訪れる。そこにはなぜか埼玉県警の古手川がいた。
三 監察医と法医学者[編集]
ボートレース平和島で行われた競艇のレース中に、選手の真山慎司がコースから大きく外れ、防波堤に激突、投げ出されて死亡した。東京都内の事故で埼玉県警の管轄外だったが、真山は埼玉県川口市に在住で既往症を持っていた。古手川は光崎からの要請で捜査資料を持参し、法医学教室にやってきた。東京都監察医務院による死体検案調書と解剖報告書のコピーを見た光崎は本当にこのとおりかどうか、遺体を確認してこいと古手川に言い、真琴とキャシーにも同行するよう求めた。真山家を訪れた3人が棺の中を確認したところ、遺体には解剖された痕跡がなかった。
四 母と娘[編集]
真琴の親友、柏木裕子は長くマイコプラズマ肺炎を患い、自宅で母の看病のもと療養していた。長い闘病にもかかわらずなかなかよくならない裕子を心配していた矢先、裕子が浦和医大に緊急搬送されてきた。懸命の治療にもかかわらず、裕子は亡くなってしまう。遺族が望んでいないにも関わらず、病理解剖をさせろという光崎。しかも親友である真琴に、家族を説得しろと言う。
五 背約と誓約[編集]
久しぶりに内科を訪れた真琴は、内科の研修中に津久場の補佐として担当していた倉本沙雪(10)を見舞う。当時、腹膜炎で入院して一旦退院したが、再発してふたたび入院してきたという。ところが数日後、急変した沙雪はそのまま亡くなってしまう。違和感を覚えた真琴は遺族に病理解剖を勧めるが、希望しないという。そこで念のため、沙雪のカルテをナースステーションに見に行くが、なぜか無い。血液検査の結果ならばコンピューターに残っているだろうと検査室のコンピューターを検索するが、沙雪の名前は無かった。
 
テレビドラマ[編集]
同名タイトルのドラマが、WOWOW連続ドラマWの「日曜オリジナルドラマ」枠で2016年10月2日から10月30日まで全5回で放送された[3]。主演は北川景子[4]。
 

 

 

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